福岡県筑後地方は豊かな農業地帯として知られていますが、その一方で地盤工学的には「有明粘土層」と呼ばれる軟弱地盤が広く分布する特殊な地域でもあります。この地域での建設工事や住宅建築を計画される際は、地盤特性を十分に理解し、適切な対策を講じることが極めて重要です。
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福岡県みやま市に拠点を構える株式会社光進建設では、筑後地方特有の軟弱地盤に対する豊富な経験と専門知識を活かし、安全で確実な土木工事を提供しています。地域の地質特性を熟知した当社だからこそ、最適な地盤対策をご提案できます。
筑後地方の地盤特性と有明粘土層

筑後地方の地盤を理解するためには、まず「有明粘土層」という特殊な地質について知ることが不可欠です。この地層は筑後平野から佐賀平野にかけて広く分布し、建設工事において十分な注意が必要とされています。
有明粘土層の特徴と分布状況
有明粘土層は沖積粘土層の一種で、含水比が非常に高く極めて軟弱な性質を持つことが特徴です。この地層の主な特性を以下の表にまとめました。
有明海に面した低平地に形成されたこの粘土層は、過去の海底に堆積した微細な粘土粒子から成り立っています。地下水位の低下により地盤沈下が生じやすく、昭和45年の国土地理院測量では沈下の兆候が認められ、昭和48年から49年の測量では年間最大約5センチメートルの沈下が記録されました。
筑後地方で建設工事を行う際は、有明粘土層の存在を前提とした地盤調査と適切な対策工法の選定が必要不可欠です。特にみやま市を含む観測地域では、地盤沈下防止等対策要綱に基づく慎重な施工計画が求められます。
軟弱地盤が引き起こすリスク
筑後地方の軟弱地盤は、建設プロジェクトにおいて様々なリスクをもたらします。これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが安全な建設工事の実現に直結します。
地盤沈下の実態
筑後地方では過去に深刻な地盤沈下が発生しており、現在も継続的な監視が行われています。最大沈下量は88.8センチメートル(昭和60年3月から令和6年2月まで)に達し、有明海沿岸部の沈下が特に顕著でした。近年は一部地域で隆起に転じているものの、軟弱地盤に起因するリスクは依然として存在します。
建設工事における課題
軟弱地盤での建設工事では以下のような課題が発生します。
不同沈下
影響:建物の傾斜や構造的損傷
原因:地盤の不均一な支持力
対策:適切な基礎工法の選定
支持力不足
影響:建物の安定性低下
原因:粘土層の低い地耐力
対策:地盤改良工事の実施
施工困難
影響:工期延長・コスト増加
原因:高含水比による機械作業の制約
対策:適切な施工機械・工法の選定
軟弱地盤対策の工法と選定
筑後地方の軟弱地盤に対しては、地盤の状況と建物の規模に応じて最適な改良工法を選定することが重要です。主要な工法について詳しく解説します。
表層改良工法
軟弱層が地表から2メートル程度までの比較的浅い場合に適用される工法です。建物基礎下の地盤全体をセメント系固化材で改良し、地盤強化を図ります。
柱状改良工法
軟弱層が地中2~8メートルの深さまで存在する場合に採用される工法です。セメント系固化材を用いて円柱状の改良体を形成し、建物を支持します。
鋼管杭工法
軟弱層が深い場合や確実な支持層まで届かせる必要がある場合に採用される工法です。鋼製の杭を回転圧入し、支持層で建物を支えます。
筑後地方特有の施工上の注意点
筑後地方での土木工事では、有明粘土層の特性を踏まえた特別な配慮が必要です。地域の気候条件や地質特性に応じた施工計画の立案が、工事の成功を左右します。
筑後地方特有の高含水比粘土層では、セメント系固化材の選定に特に注意が必要です。酸性が強い腐植土や火山灰質粘性土が混在する場合、一般的なセメント系材料では固化不良を起こす可能性があります。事前の土質試験により最適な固化材の選定を行うことが重要です。
また、有明海の潮汐の影響を受ける地域では、地下水位の変動が激しく、これが地盤の安定性に大きく影響します。施工時期の選定や排水対策の徹底が必要不可欠です。
株式会社光進建設は、みやま市に拠点を置く地域密着企業として、筑後地方の地盤特性を熟知しています。久留米市、柳川市、筑後市、大川市などの近隣地域での豊富な施工経験により、最適な工法選定と確実な施工をお約束いたします。
筑後地方では、矢部川や沖端川などの河川による沖積作用で形成された地盤のため、場所によって地質が大きく異なります。同じ敷地内でも地盤の性質が変化することが多く、詳細な地盤調査に基づく適切な対策が必要です。
近年の気候変動による集中豪雨の増加も、軟弱地盤への影響を考慮すべき要因の一つです。排水計画と地盤改良計画を一体的に検討し、長期的な安定性を確保することが重要になっています。
適切な地盤対策で安全な建設工事を実現
福岡県筑後地方の軟弱地盤は、適切な対策を講じることで安全で確実な建設工事が可能です。有明粘土層の特性を理解し、地盤調査結果に基づいた最適な改良工法を選定することが成功の鍵となります。
表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法それぞれに特徴があり、地盤条件と建物規模に応じて使い分けることで、コストパフォーマンスと安全性を両立できます。特に筑後地方では、酸性土壌による固化不良や地下水位変動への対応が重要で、豊富な地域経験を持つ専門業者への相談が不可欠です。
みやま市をはじめとする筑後地方での土木工事をご検討の際は、地域特性を熟知した株式会社光進建設にお任せください。確実な地盤調査から最適な改良工法の提案まで、一貫したサービスでお客様の安心・安全な建設工事をサポートいたします。
